"my bag"の意味はマイ・バッグではないらしい。
"Rabbit Redux"からの引用です。
"Nixon, shit. That honky was put there by the cracker vote, right? Strom Stormtrooper is his very bag ..."
「ニクソンかよ。あの白ンボはろくでなしの白人票であの地位についたんだろ?チキチキ突撃隊はあいつの大好きなやつだ…」
アメリカ英語の辞書Merriam-Websterのサイトでは"bag"は以下のように説明されています。
"something one likes or does regularly or well also: one's characteristic way of doing things"
「誰かの好み。又は、個人のクセや得意にすること。」
スラングのオープンソース的な辞書Urbandictionaryのサイトでは以下のように説明されています。
"someone's preference or way of doing something"
「誰かの好み又は何かをするクセ」
”my bag” = 「(自分の)オハコ、十八番、好み」
どうしてバッグが「好み」の意味を持つようになったかというとetymologyonlineのサイトでは以下のように説明されています。
"... The meaning "person's area of interest or expertise" is by 1964, from African-American vernacular, from jazz sense of "category," probably via notion of putting something in a bag..."
「興味または得意とする範疇」の意味は1964年よりジャズの世界でのカテゴリーを意味するアフリカン・アメリカンの日常語からきている。おそらく何かをバッグに入れる(獲得する、ゲットする)という概念から。
ただ、この”someone's bag”という言い方は古い言い方で、同じようなニュアンスで最近耳にするのは"someone's jam"です。引用元の”Rabbit Recux”も時代設定は1960年後半です。"my jam"は「俺の好みなんだ」といった感じで日常会話で"That's my jam"という風にマクラーレンのF1ドライバー、ランド・ノリスが言っているのをポッドキャストのインタビューで耳にしたことがあります。ちなみにこの"jam"はいちごジャムなどの食べ物ではなくて、音楽のジャム・セッションのジャムです。